2024年8月4日(日)に葛飾区奥戸総合スポーツセンターにて行われた、第1回葛飾区長杯争奪全国選抜少年少女剣道大会に、大田区剣道連盟から選抜された小中学生7名が出場しました。
4日に行われた本大会の結果は、残念ながら1回戦敗退となりましたが、前日に行われた錬成会も含め、参加した大田区ジュニアにとっては多くの学びを得る真夏の2日間となりました。
■大会概要
本大会は、北は岩手、南は沖縄までの全国から選抜された100チームが参加する大きな大会です。
審判の先生方におかれましては、審判長の西川清紀先生をはじめ、総勢60名の警視庁の助教の先生方が動員されておりました。
また、毎日新聞社の協力により、全試合がインターネットでのライブ配信および見逃し配信が行われるなど、第1回目の開催とは思えない圧倒の大会運営がなされておりました。
本大会を切り盛りされた葛飾区剣道連盟の皆様方に、この場を借りて敬意を表します。
■大田区剣道連盟出場メンバー
先鋒 林 晏次郎(小4) 内田剣友会
次鋒 内藤 優陽(小4) 南蒲剣友会
五将 久田 壮真(小5) 東競武道館
中堅 天内 一乃(小6) 東競武道館
三将 奥野 美都(中1) 東競武道館
副将 堀内 修誠(中2) 東競武道館
大将 江田 湊太朗(中3)矢口剣志会
監督 堀内 理
■前日錬成会
前日に、本大会の参加チームの約半数のチームが参加する錬成会が行われました。
当日は五将の久田が都合がつかず、代わりに矢口剣志会の小谷野、相生剣友会の坂場が交互に入るオーダーで計8試合を行いました。
本大会の前日の錬成会というこの絶好の機会を活かし、前半の試合の中で確認された各自の課題を中盤から後半にかけて修正することで、本大会に繋げていくというスタイルで試合を進めていきました。
8試合の中で、打ち気を僅かに我慢することで相手を引き出すことに成功した者、勝負にでる間合いを修正する者、スピードや体格差を考慮してこれまでとは異なる打突の機会を狙ってその感覚を得た者、各自がそれぞれの課題に対して考えながら実践の中で試していくことで、レベルアップすることができた1日となりました。 チームの勝敗は6勝2敗の好成績で、翌日の本大会に大いに期待が持てる結果で終わりました。
■本大会
いよいよ本大会当日。目標をコート優勝(ベスト8)におき試合に臨みます。
出番は開会式終了直後の1試合目、対戦相手は埼玉県の桶川剣友会。
試合開始前のアップは禁止された代わりに、葛飾区剣道連盟(梅本少年剣友会)の内藤先生による「剣道エクササイズ」で体を温めてから試合を開始。
誰もが気になる「剣道エクササイズ」は、剣道の手足の動きをエアロビ調の音楽と掛け声に乗せて行うエアロビクスそのもので、準備運動としてはかなり運動強度の高い内容でした。
■1回戦 大田区剣道連盟 vs. 桶川剣友会
先鋒の林は終始落ち着き打突の機会をよく見極めて的確に技を繰り出し早々に先取する予感を感じさせる試合運び。しかし、相手もよく攻めよく守り、一歩も譲らず試合終盤に。ここで相手の遠間からのメンに対して林がその出ばなをメンで捉えたかに見えたが、有効を示す旗は主審のみ。副審の旗は上がらず、その後も互いに決め手にかけ引き分ける。
次鋒の内藤は試合開始直後の鍔迫り合いで一瞬の隙をつかれ引きメンを奪われる。もうこれ以上は一本も取られてはならない緊迫した攻め合いが続く。相手の攻めも強く決定的な場面が訪れることがなく試合終盤にさしかかるところで、相手がメンに出ようするところを絶妙なタイミングでコテに跳び込み貴重な1本を取り返す。前日錬成会からテーマにしてきた「我慢」が功を奏した見事な1本であった。審判の「勝負」の掛け声の直後にホイッスル。ギリギリのタイミングでなんとか引き分けに持ち込み次に繋げた。
五将は久田。長身の対戦相手に対して初立ちから思い切ったメンを放つが、狙いすましたように返し胴を決められてしまう。その後相手を引き出しての摺り上げメンや技の尽きたところの引きメンなど鋭い打突を果敢に繰り出すが、試合中盤に久田が打ち込んだメンを見極められ摺り上げメンを献上してしまった。
中堅は天内。ここで早々に1勝を取り返したいところ。試合開始から天内が先を懸けて積極的に攻め続ける試合展開。しかし相手もなかなかの試合巧者で細かな足さばきでプレッシャーをかけてくるため天内に十分な打ちをさせてくれない。そのまま双方決定的な場面を作れず互いに有効打突がないまま引き分けとなる。
三将は奥野。相手との体格差で押しこまれる場面がありながらも試合開始から中盤にかけてバランスのとれた構えから相手を小気味良く攻めていく。
試合中盤で、相手の仕掛けに応じる流れで相メンとなる。奥野が放ったメンが相手の面の中心を捉えたと見えたものの、打突部位を外し気味でありながらも体格と勢いが上回る相手のメンに3本の旗が上がる。気を取り戻して開始線へ。
ややあって再び相メン勝負となる。奥野のメンが先に打突部位を捉えたように見えたもののまたしても相手のメンに旗3本。
奥野は前日錬成会の中盤から絶妙な出ばなメンを連発していただけに、この判定にチーム全体が失意に包まれるも気持ちを切り替え後に控える二人に託す。
チームの勝敗を一手に背負うことなった副将は堀内。開始直後からスピードあるコテやメンを連発。相手を圧倒する立ち上がりに期待が膨らむ。そんな思いがよぎった直後に相手の手元の上がり端に鋭いコテを打ち込み一本を先取。開始早々のこの1本にチームも沸き立つ。「2本目」の審判の掛け声と共に再び果敢に攻めて勢いが続く中、思い切ったメンを放った瞬間、3人の審判の旗は相手方に。出ばなのコテを捉えられてしまった。ここで本数差によりチームの勝利はなくなる。それでも堀内は相手を攻め続け最後に相手のメンをうまく引き出して見事な返し胴で副将戦は制した。
チームの勝敗は決してしまったが大将はキャプテンの江田。前日錬成会では抜群の安定感で強豪チームの大将にも勝利してきた。試合は互いに大将同士の意地がぶつかり合いどちらも一歩も譲らない試合展開。双方ともに決定的な場面を作れずに試合は終了となる。
■考察と今後について
試合の結果は、1回戦敗退という悔しい結果で終わりました。しかしながらチームの力の差は殆どなく、今回の敗因はチームを預かった監督の力量不足でした。この点の改善とともに、普段それぞれの稽古場で稽古をしている選抜メンバーをOne Teamにして戦い、結果を出していくにはどうすればよいかという点においても、ジュニア強化委員会の中で議論をして改善を図って参ります。
なお、今回の大田区選抜チームは小学生の枠に4年生が二人、中学女子の枠も1年生で構成されており、とても若いチームです。1年後、2年後の成長を考えると大いに夢が広がります。一喜一憂せず、短期、中期の育成計画で結果を出せるよう努めて参ります。 ジュニアを強化し結果を出し続けていくためには、大田区剣道連盟会員の皆様のご協力が不可欠です。これまで以上に一層のご協力をよろしくお願いします。